6月24日 定例会議会

10番・井上ノエミ君
   〔10番 井上ノエミ君登壇〕

◆10番(井上ノエミ君) 新しいすみだの井上ノエミです。山本区長、よろしくお願いします。
 まず、職員の人事異動についてお伺いします。特に、課長より下の方、課長の補佐や主査の方の定期的な異動について伺います。
 区役所の各部署にはベテランの職員が多くいます。ベテランの職員は、業務について大変詳しく、とても役に立つ方が多いと思います。しかし、同時に一部の方に権限が集中することになります。また、特定の業者との癒着を生む可能性もあります。
 多くの組織では、そのようなことを防ぐために職員を定期的に異動させています。特に、契約を担当する方は定期的に異動させる必要があると思います。
 そこで伺いますが、墨田区の人事異動の方針として、どのような配慮をしているのか、山本区長にお伺いします。
 次に、子どもたちの命を守る安全対策について伺います。
 最近、子どもたちを巻き込んだ犯罪や交通事故が大変多く起こっています。川崎市登戸では、スクールバスに乗る子どもたちが襲われて、男性1名と小学校6年生の女の子が亡くなり、多くの子どもが負傷するという大変な事件がありました。また、通学中の小学生や散歩中の保育園児に車が突っ込むという重大な交通事故も起きています。
 区民の生命を守ることは行政の最も重大な役割です。子どもたちの安全対策を最優先で取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、何点か山本区長にお伺いします。
 まず、保育園の防犯対策についてお伺いします。
 犯罪対策としては、防犯カメラが大変役に立ちます。また、犯罪の抑止効果もありますし、最近では、犯人の逮捕に防犯カメラが大変役に立つ場合が多いです。費用的にも大変安く、月に数千円でクラウドに映像を記録して、スマホでも見られるような防犯カメラもあります。是非、学童クラブ、保育園、幼稚園などの区内の子どもたちの施設に防犯カメラを設置していただきたいと思いますが、現在の幼稚園や保育園での設置状況はどうでしょうか、伺います。
 墨田区として、子どもたちの安全を守る対策を進めるべきと思いますが、区長のお考えをお伺いします。また、費用についても、Wi-Fiを利用して安価に設置できるカメラもありますので、是非お金をかけないで対策をとれるように検討していただきたいと思います。
 次に、保育園児の交通安全対策についてお伺いします。
 今回の大津市の事故の後に、国でも保育園の周辺を交通安全のキッズゾーンにする動きもあります。墨田区では、関係者の尽力もあり、最近は子どもの死亡事故は起きていません。しかし、事故はいつ起こるか分かりません。しっかりと対策を取る必要があります。
 区内の小学校の通学路については、各小学校の通学路の合同点検を実施しています。私も地元の保育園の周りを点検してみました。東駒形一丁目の育正保育園は、首都高速向島出入口のすぐそばにあります。歩道もありませんし、ガードレールもありません。ガードポールは数本ありますが、道路には白線が1本引いてあるだけです。これだけの安全対策では心配です。道路に大きな斜線を引くなど、車が減速するような対策が必要です。
 また、墨田区では、新しい保育園が毎年開園しています。今回の大津市の事故を踏まえて、保育園児の安全対策についてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。
 また、以前も取り上げましたが、ママチャリで子どもを保育園に連れていく親がほとんどです。通園中に園児の安全を守る意味でも、自転車レーンの整備を進めていただきたいと思います。
 次に、高齢者ドライバーによる交通事故の防止についてお伺いします。
 高齢者といっても、大変元気な方もいらっしゃいますが、体や視力などに自信のない高齢者のドライバーの方には、積極的に運転免許の返納を考えていただきたいと思います。墨田区では、高齢者のためのさまざまな事業を実施しています。あらゆる機会を使って高齢者やその家族に運転免許の返納を勧めていくことは、区民の生命を守るために大変重要だと思います。警察に任せておくのではなく、墨田区としても積極的に高齢者に働きかけていただきたいと思います。また、免許を返納された方には、何かプレゼントをすることも是非考えていただきたいと思います。山本区長にご見解を伺います。
 次に、墨田区の多文化共生事業についてお伺いします。
 多文化共生事業は、これまで国際化推進クラブという団体があって、外国人のための相談会やバス旅行などを実施していました。しかし、その団体に対する助成金が打切りになりました。多文化共生事業は、予算も少ないし、活動も日本語教室以外はあまりないので、大変残念です。
 今後、外国人の人口も増えますので、墨田区として、是非事業の方針を考えていただきたいと思います。特に、日本語教室で日本語を習っている外国人が参加できるような活動が必要だと思います。日本文化や墨田区のことを知ってもらえるイベントや日本人と交流をするイベントがあれば、より異文化交流が進むと思います。また、日本語教室の参加者との継続的なネットワークもつくることができます。山本区長のご見解をお伺いします。
 次に、今月のすみだ区報では、「未来に引き継ぐすみだの緑」が1面の見出しでした。そして、緑と花のサポーターのことが記事になっています。
 その活動拠点が文花二丁目にある「緑と花の学習園」です。ここを拠点として、ボランティアの方が活動しています。また、墨田区の緑化事業には、「まちなか緑化」事業があって、幾つかの町会や自治会にプランターやハンギングバスケットを提供しています。ただ、緑と花のサポーターも、まちなか緑化事業も、ごく一部の地域の活動にとどまっています。もう少し緑化の活動を全区に広げることが必要だと思います。
 私の住んでいるマンションの植栽クラブでは、墨田区の許可を受けて、街路樹の植えてある「ます」の部分に花を植えています。マンションの周りのますで、全部で8カ所ぐらいあります。本来でしたら、税金を使って管理をしなければならないのですが、ボランティアが草むしりから花の栽培までやっています。同様に、ご近所の方が同じようにますの部分の草むしりをしています。
 墨田では、このように区民が自主的にますの部分を手入れする場合がとても多いと思います。ただ、ますの部分は区の所有地です。その利用に関しては、区が許可することが必要だと思います。このますの区民の利用について、きちんとした制度をつくり、区民に維持管理をやってもらえば、税金の節約にもなり、緑の多い墨田区を実現できると思いますが、山本区長のご見解を伺います。
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございます。
   〔区長 山本亨君登壇〕


◎区長(山本亨君) ただいまの新しいすみだ、井上議員のご質問に順次お答えします。
 最初のご質問は、職員の人事異動の方針についてです。
 人事異動は、適材適所の配置により、職員の意欲や能力を向上させるとともに、組織の活性化を図るために実施しており、毎年度、異動計画、異動基準等の方針を定めています。通常、課長補佐及び主査クラスである係長職は、原則として同一職場に3年以上在籍した者を異動対象としています。
 ご指摘のとおり、特に契約を担当する職員については、長期在職による不適切な対応等が生じないよう、異動には配慮しています。
 また、区全体の組織運営も考慮した上で、常に各所属の管理職が職員に対し、管理運営上のチェックを行いながら、適切に人事異動を行っています。
 次に、子どもの安全対策、特に保育園の防犯対策についてです。
 まず、幼稚園や保育園での防犯カメラの設置状況についてですが、公立幼稚園が7園中7園、私立幼稚園が8園中7園、公立保育園等は29園中3園、私立保育園等が54園中41園となっています。
 次に、区の保育園等における防犯カメラの設置の考え方についてです。
 区内の保育園等については、それぞれの周辺環境や設備環境に応じて、ハード面では、電子錠、玄関モニターや学校110番等の設置、ソフト面では、送迎時の門での職員配置、全園での防犯マニュアルの徹底、さすまた等を活用した防犯訓練の実施により必要な安全対策を講じています。
 今後、施設の個別の状況によって、安全対策上の必要が生じた際には、防犯カメラの設置についても選択肢の一つとして検討していきます。
 次に、大津市の事故を踏まえた保育園児の安全対策についてです。
 滋賀県大津市の事故を受け、公立・私立を問わず、全施設に対して、散歩や園外活動の移動経路の安全性や職員体制等について再確認を行うよう徹底を図りました。
 次に、警視庁からの、危険箇所の把握と点検を趣旨とした緊急的な取組み要請に合わせ、対象となる保育・教育施設の一覧等を警察署に情報提供しました。
 さらに、各施設が危険箇所を把握し、警察署に報告した内容については、区も情報を共有していきます。今後は、警察署と連携して、区の所管部門及び保育園等とも合同点検を実施していきます。
 なお、自転車レーン等の整備については、北斎通りと区役所通りの一部を今年度整備します。今後は、自転車ネットワーク計画を策定した上で、整備を進めていきます。
 次に、高齢運転者による交通事故の防止についてです。
 最近、高齢運転者による痛ましい交通事故のニュースが多く報道されています。このような事故を防ぐため、身体機能や視力等に不安のある高齢者に対し、運転免許証を自主返納しやすい環境を整えることが大切であると認識しています。
 現時点において、免許を返納された方に区が直接何かプレゼントを贈呈することは考えていませんが、引き続き、東京都シルバーパスの周知を図っていきます。
 また、「運転経歴証明書」を提示することにより、高齢者運転免許自主返納サポート協議会の加盟店などでさまざまな特典を受けることができることを警察署や墨田区老人クラブ連合会と連携して周知していきます。
 次に、多文化共生事業の方針についてです。
 外国籍の方が増加している中で、多文化共生社会の実現を図るためには、異文化を理解し、交流を深め、継続的なネットワーク形成につながる仕組みづくりが必要と考えています。
 例えば、外国籍の方の日本語による発表会に、多くの日本人が参加できるような工夫を行い、地域で行われる祭りや盆踊りなどのイベントに、外国籍の方と日本人とがともに参加できるようにするなど、双方が交流していけるようにしていきます。
 最後に、緑化事業についてです。
 まず、緑化の活動を全区に広げる活動についてです。
 まちなか緑化を進めるため、緑化資材の補助や園芸指導を行う「墨田区緑と花のまちづくり推進地域制度」を平成26年度に創設しました。緑と花のサポーターの皆さんのご協力もあり、今では活動団体が16団体に増えるなど、活動の広がりを見せているところです。
 この活動を更に広げるよう、環境フェアなどで募集活動を行うほか、緑と花の学習園から情報発信をするなど、緑化に努めていきます。
 次に、区民による「植栽ます」の維持管理についてです。
 道路の「植栽ます」や緑地帯において緑化活動や清掃活動を行っていただく「道路緑化ボランティア」制度を平成29年度に設けています。この制度の周知に努め、区民の皆さんとの協働による「植栽ます」等の維持管理を進めていきます。
 以上で、新しいすみだ、井上議員のご質問に対する答弁を終わります。